TEDxKyotoUniversity2017 スピーカーインタビュー #4

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市橋: みなさん、こんにちは!TEDxKyotoUniversity2017スピーカーインタビューへようこそ。本日は榎戸輝揚先生にインタビューします。榎戸先生は現在、京都大学白眉センター、理学研究科宇宙物理学教室で特定准教授をなさっています。それでは榎戸先生、よろしくお願いします。

榎戸: よろしくお願いします。

市: ではまず、先生は現在どのような研究をなさっていますか?

榎: 私の専門は、高エネルギー宇宙物理学と呼ばれる分野で、とくに我々が目で見ることの
できる光(可視光)よりもエネルギーの大きい「X線」で天体観測をしています。宇宙に
は、ブラックホールのような特異な天体が存在することは近年の宇宙観測で解明されてき
ましたが、ブラックホールに潰れるまさに寸前の、物質が小さな空間に「ぎゅっ」と詰ま
った最高密度の特殊な星「中性子星」を研究しています。日本でも人工衛星を用いた観測
が行われていますし、私は NASA で開発されてきて今年の6月3日に SpaceX のロケットで
打ち上がって国際宇宙ステーションで観測を開始する NICER (Neutron star Composition
ExploreR) という装置を使ったプロジェクトに参加しています。この研究分野では放射線を
用いた観測技術を使うことをスピンオフして、大学院生の頃から落雷や雷雲から出る高エネ
ルギーの光(ガンマ線)の研究も同時に行っていて、京都大学に来てから推進しています。

市: なるほど。では、どのようにしてご自身の専門分野に興味を持たれたのですか?

榎: 大学に入った頃は、いろんな分野に興味があり、どういった専門性や仕事に向かうのかにはずいぶん迷っていた記憶があります。それでも、世界や自然界を理解する上で基本となるのは「物理学」だろうから、まずはそこからしっかり理解してみようと思って進んで行くうちに、気がつくと宇宙物理学の分野に進んでいました。子供の頃に、カール・セーガンというアメリカの天文学者が監修していた「コスモス」という宇宙や地球の歴史、不思議を紹介するビデオが家にあって、それを見ているうちに宇宙そのものにも憧れがあったのだと思います。社会的な専門は宇宙物理学だと思っていますが、いわゆる「専門分野」はヒトが決めたものだから、好奇心が湧いて、自分が手に持っている知識や技術で挑戦でき、解明できるものであれば、特に自分の専門性にこだわりすぎるのは良くないのかなとも思っています。

市: 確かに専門性に縛られすぎるのは良くないかもしれませんね。では、学生へのメッセージをお願いします。

榎: いまから思い介せば、大学生や大学院生のころは、お金はないけれど、まとまった時間がありました。自分も学生の頃は面白い人と知り合ったり、いろんな本を読んだり、多様な体験をするのが楽しくて仕方なかった記憶がありますし、博士号をとってからアメリカの大学や研究所で仕事をして異国に住み多様な人とあった経験はかけがえのないものだったと思います。なので、ぜひ旅をしたり、本を貪るように読んだり、多様な人やコミュニティに入って、体験して視野を広げてほしいと思います。自分も努力したと思いますが、思い返せば、もっと色々できただろうなと思うときもあります。また、どんな人にも「自由に質問できる」のは学生時代の特権だと思うので、十分に活かしてほしい。そして、流行に乗っかるのではなくて、自分で流行を作るくらいの気持ちをもつことは、これからの時代に大切なマインドだと思っています。

市: なるほど、まとまった時間のある学生のうちに様々な体験をして視野を広げ、自分流で行けということですね。本日はありがとうございました。

今回のインタビューはこれで終わりです。次回のTEDxKyotoUniversity2017スピーカーインタビューをお楽しみに!

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