TEDxKyotoUniversityスピーカーインタビュー#3

藤岡亜季(藤) 浅利美鈴先生(浅) 藤        : みなさん、こんにちは! 3回目のTEDxKyotoUniversityスピーカーインタビューです。今回は私、藤岡亜季が、 家庭ゴミのライフフローの研究や様々なエコ・イベントに取り組まれている浅利美鈴先生にインタビューします。先生、よろしくお願いします。 浅        : よろしくお願いします。 藤        : では最初の質問ですが、先生はどうしてこの分野に興味をお持ちになったのですか? 浅        : 最初はゴミ問題に取り組むつもりはなかったのですが、環境問題には興味がありました。そんなある日、京都大学そのものが環境負荷になっているということを知って、学生たちで京大ゴミ部というサークルを立ち上げました。京大ゴミ部では、京都大学を大学の環境モデルにしようと、意識啓発、ゴミ分別の提案などをしていました。しかし、当時(90年代後半)は、ゴミへの社会的関心が高まる一方、研究対象としてはあまり認められていなくて、周囲の反応にショックを受けて、社会全体の意識を変えなければいけないと思い、活動の幅を広げていきました。その中で、廃棄物の研究に出会いました。 藤        : なるほど。それでは、先生の現在の研究について教えていただけますか? 浅        : ゴミの発生の背景、各家庭にある有害物質を適切に管理する仕組み、災害による廃棄物の処理を研究しています。 藤        : 先生は京都ご出身だそうですが、京都ならではのエコな点はどのようなところだと思いますか? 浅        : 京都人は倹約家が多く、いいものを長く使う知恵が根付いていると思いますね。祇園祭での装飾品もその1つだと思います。 藤        : なるほど。先生ご自身は、どのようなことをなさっていますか? 浅        : 使い捨てのものは買わないようにしていますし、最近はぬか漬けをしています。ぬか床は捨てるものを出さずに半永久的に使えるので、学生とともに京都の知恵の象徴としてやっています。 藤        : やはりご自身のエコの意識は高いんですね。日本人のエコに対する意識の変遷はどのようなものでしょうか? 浅        : 70年代に公害が問題になりましたが、それらは80, 90年代での技術の進歩に伴い、解決されてきました。ただ、90年代に入って、地球温暖化やオゾン層の破壊といった、地球環境問題が出てきました。日本では、小学校からの環境教育のおかげで知識のある人は多いですが、自分たちの問題として解決しようという意識が他の国に比べて低いので、そこを改善していきたいです。 藤        : では、今回、TEDxKyotoUniversityでどのようなことをお話しされるのですか? 浅        : みなさんに、驚くべきゴミの実態について話したいと思っています。 藤        : 最後に、この分野に興味のある学生にひとことお願いします。 浅        : アフリカや南米などの途上国ではゴミ問題が死活問題になっているので、そのようなところに目を向けて、一緒に解決していってほしいですね。 Text by Sosuke…Read more TEDxKyotoUniversityスピーカーインタビュー#3

2016 スピーカー

  浅利美鈴 「ごみ」が研究テーマで、ごみから見た社会や暮らしのあり方を提案する。家庭から出る有害なごみなどを対象に、物質フローや消費者行動のモデル化を行う。大学の環境管理も研究し、京都大学で全員参加型のエコキャンパス化を目指している。 研究活動の傍ら、ライフワークとして市民への啓発・教育活動にも力を注いでいる。京都大学在学中に「京大ゴミ部」を立ち上げ、「京都ごみ祭」を開催。2005年からは、京都議定書達成に向けた「びっくり!エコ100選」を高島屋で開催し、驚きのエコな話題を100個集めて来店客へ公開した。国や地方自治体の各種委員も務める。 石井美保 憑依・呪術・儀礼をはじめとする人々の宗教実践を中心に研究する人類学者。 北海道大学在学中、フィールドワークを求めて人類学の道に進んだ。京都大学の修士課程では、タンザニアで勃興している「ラスタファリ運動」と呼ばれる宗教運動と、この運動にかかわる都市出稼ぎ民の生活について調査を行った。また博士過程では、ガーナのココア開拓移民の村に住み込み、精霊祭祀・妖術・呪術と民族間の関係について調査を行った。現在はフィールドを南インドに移し、憑依をともなう神霊祭祀と大規模開発の相互影響に関する調査研究に取り組んでいる。 著書に『精霊たちのフロンティア—ガーナ南部の開拓移民社会における<超常現象>の民族誌』、共著書に『宗教の人類学』などがある。 磯部洋明 研究のみならず、多岐に渡り学際的プロジェクトを展開する宇宙物理学者。 黒点、プロミネンス、太陽フレアなど、太陽のさまざまな活動現象の研究を行う一方、宇宙に関する人文社会科学の開拓や、宇宙と芸術、伝統文化とのコラボレーションを手掛けており、お寺で科学と宗教について語る会や宇宙落語会などを開催。最近では古文献中の太陽黒点やオーロラの記録を用いて過去の太陽活動を探る研究や、人類滅亡リスクについての研究プロジェクトにも携わる。 京都大学で博士取得後、東京大学や英国・ケンブリッジ大学で研究員をつとめた。 土井隆雄 1985年に日本人初の宇宙飛行士として選ばれ、1997年、日本人で初めて船外活動を行った。2008年3月には日本実験棟「きぼう」を初めて国際宇宙ステーション(ISS)に取り付け、日本が開発した最初の有人宇宙施設に乗り込んだ発の日本人となった。2004年6月 ライス大学大学院博士課程修了(天文物理学)。2009年9月からはオーストリア・ウィーンにある国連宇宙部の宇宙応用課長として、宇宙をより広く世界の人々に利用してもらうための活動に奔走した。 2016年度より京都大学宇宙総合学研究ユニット特定教授に就任。 松浦健二   シロアリを対象に昆虫の社会生態と進化のメカニズムを研究する昆虫学者。 シロアリの女王位は単為生殖により継承されていることを世界で初めて明らかにしたほか、シロアリの卵に擬態する菌類の発見、卵認識フェロモンの同定、共生バクテリア組成が関与した巣仲間認識メカニズムの解明など、シロアリの社会生態に関する未解明の問題を世界に先駆けて次々と解明してきた。著書に「シロアリ—女王様、その手がありましたか!」(岩波書店)がある。京都大学総合博物館の「虫を知りつくす」展の実行委員長を務め、生きたシロアリを展示するなど含め、昆虫学の最前線を紹介した。   本川雅治 アジアの小動物の種多様性について研究する動物学者。ミャンマー、ベトナム、中国、台湾、韓国などアジア各地でフィールド調査と標本収集などを通して、種が形成されてから現在までの数百万年間にたどった歴史の復元を行っている。 学士・修士・博士を京都大学で取得した後、同大学総合博物館の教員としてのキャリアを始めた。過去には英国自然史博物館やタイ・チュラロンコン大学の訪問研究員としても研究を展開した。現在は総合博物館教授として教鞭をとる傍ら、総合博物館に収蔵されている無数の動物標本も管理している。日本哺乳類学会の学術誌編集幹事及び理事も務めている。 モハメド・アブデルハック 京都大学べジプロジェクトの学生代表。TEDトークで見た講演などがきっかけで環境問題への配慮からベジタリアンに転向した。学生食堂などに働きかけ、ベジタリアンや世界の他地域の食文化を取り込んだメニューの促進に努め、取り組みがNHKにも取材された。 エジプト出身で、現在は京都大学情報学研究科の博士課程に在学中。沖縄科学技術大学院大学へ進学するとともに来日した。ベジタリアニズムや環境保全の他、人道支援や教育支援などにも意欲があり、エジプト・ロシア・トルコ・沖縄など世界各地の教育プログラムに携わった。

TEDxKyotoUniversityスピーカーインタビュー#2

https://www.youtube.com/watch?v=frfJV7HwYQg   市橋: みなさん、おはようございます。2回目のTEDxKyotoUniversityスピーカーインタビューです。今回は私、市橋爽介が、 生物多様性の研究をなさっている本川雅治先生にインタビューします。それでは、本川先生、よろしくお願いします。 本川: よろしくお願いします。 市: 先生はどうして生物多様性に興味を持たれたのですか? 本: もともと私は生物多様性に興味があったわけではなく、むしろ、動物の形の違いに興味があったんですね。でも、ある教授が、まず生物多様性を研究してから、動物の形を研究することを勧められたので、そのアドバイスに従って生物多様性の研究を始めて、そこからぬけられなくなったという感じですね。 市: なるほど。先生の研究について詳しく教えていただけますか? 本: 私は現在、ネズミやモグラ、コウモリなど、アジアの哺乳類の生物多様性の研究をしています。最初、私は日本の哺乳類を研究していましたが、国境を越えた学術協力が少なく、東アジアや東南アジアの生物多様性が十分には研究されていなかったので、日本の哺乳類のルーツを辿るのが難しかったのです。そのため、私はよく自分でそれらの国に行って、動物たちを比較していました。今、私はこの国境による問題を解決するため、研究者ネットワークを創っています。今日、東南アジアの国々は国境を越えた研究ができるほど経済的に豊かになったのですが、それと同時に、生物多様性を保つのが難しくなってきたので、この研究は急務となっています。 市: 確かにそうですね。TEDxKyotoUniversityではどのようなことをお話しになるのですか? 本: 標本が私の研究の基礎にあるので、どうして標本が重要なのか、新たな標本をどのように将来に向けて活用していくかについて話したいですね。 市: わかりました。では最後に、この分野に興味のある学生にひとことお願いします。 本: はい。最も重要なことは自分で物事を経験し、観察することです。研究は新しいことが重要なので、既存の知識のみにとらわれないで、自分の考えを持って、自分の意見を表現していってほしいです。まあ、まずは行動していってほしいですね。 市: 素晴らしいアドバイスありがとうございます。TEDxKyotoUniversityで先生のトークをきくことを楽しみにしています。どうも今日はありがとうございました。 これで今回のインタビューは終わりです。次回のインタビューをお楽しみに! by Sosuke Ichihashi

ボディランゲージが人を作る – TED紹介コラム#5

  おはようございます! 本日ご紹介するスピーカーは、エイミー・カディさんです! 社会心理学者のカディさんのボディランゲージ(身振り言語)の研究により、私たちは単に姿勢や体の位置などを変えるだけで、他人からの見られ方や、自らの体内物質までも変えられるということが明らかになりました。ちなみに、これは私のお気に入りのトークでもあります! ボディランゲージが人を作る 私たちのするボディランゲージは、自分に対する他の人の見方に影響しますが、自分自身の見方にも影響します。社会心理学者のエイミー・カディは、自信のないときでも自信に溢れる「力のポーズ」を取ることで、脳内のテストステロンやコルチゾールのレベルが変化し、成功できる見込みも変わるのだと言います。 TED                       by Sosuke Ichihashi by Sosuke Ichihashi

市の旗が猛烈にダサくても見向きもされないワケ – TED紹介コラム#4

こんばんは! 本日のスピーカーは、ラジオプロデューサー兼DJのローマン・マーズさんです。2001年、彼はサンフランシスコのラジオ局KALWでラジオ番組の制作を始めます。そして2010年、ありふれた日用品のデザインについて取り上げるラジオ番組 ”99% Invisible” を創ります。この番組は、公共ラジオを古いパラダイムから解き放つものでした。 市の旗が猛烈にダサくても見向きもされないワケ 彼は旗に夢中になっていますが、このトークの後、みなさんもそうなるかもしれません。旗はありふれた市民の誇りの象徴ですが、たいてい酷いデザインになってしまっています。そのままにしておく手はないでしょう! この驚愕かつ爆笑の旗章学(vexillology: 旗についての学問)のトークにおいて、彼は旗のデザインに関する5つの基本原則を明らかにし、どうしてその原則があらゆるデザインに当てはまるのかを教えてくれます。 TED        by Sosuke Ichihashi by Sosuke Ichihashi

学校教育は創造性を殺してしまっている – TED紹介コラム#3

学校教育は創造性を殺してしまっている - TED紹介コラム#3 みなさん、こんにちは! 3回目のTED紹介コラムです。本日ご紹介するスピーカーは、サー・ケン・ロビンソンさんです。創造性の専門家である彼は、子供たちの教育方法を変えようとしています。このトークは非常に有名なので、すでにご覧になったことのある方がいらっしゃるかもしれませんが、何度でもご覧になる価値はあると思います! 学校教育は創造性を殺してしまっている サー・ケン・ロビンソンは、人間の創造性を(弱めてしまうのではなく)育てていくための教育システムを構築している。彼のやり方はエンターテイメント性に溢れると同時に、我々の心の奥底に何かを強く訴えかけてくる。 TED                            by Sosuke Ichihashi by Sosuke Ichihashi  

仕事のやりがいとは何か? – TED紹介コラム #2

みなさん、おはようございます! 第2回のTED紹介コラムです。本日ご紹介するのは、ダン・アリエリーさんです。彼は、デューク大学で心理学と行動経済学の教授をしており、デューク大学先進後知恵研究センター(The Center for Advanced Hindsight)の創設者の1人でもあります。彼の著書には、”予想通りに不合理(Predictably Irrational)”、”不合理だからすべてがうまくいく(The Upside of Irrationality)”、”ずる - 嘘とごまかしの行動経済学(The Honest Truth about Dishonesty)”などのベストセラーがあります。研究と実験を通して、彼は人間の行動に影響する力や、私たちがよくとる不合理な行動に疑問を持ちました。 仕事のやりがいとは何か? 私たちの働くモチベーションは何でしょうか? 通説に反して、それはお金ではありません。しかし、それは喜びとも言えません。私たちは、コンスタントな進歩と、目的意識のおかげで繁栄しているように思われます。行動経済学者のダン・アリエリーさんは、仕事の意味に対する、私たちの予期せぬ微妙な態度を明らかにする、2つの驚くべき実験をします。 by Sosuke Ichihashi